妊娠8ヵ月ごろの検査で、産婦人科の先生から 「太ももの骨が短い」と言われました。 その時点ではまだ深刻に考えていませんでしたが、 次の検査で全身の骨を詳しく見てもらったとき、 「軟骨無形成症の特徴がある」と伝えられました。
ただし、確定には遺伝子検査が必要で、 それは生まれてからでないとできないとのこと。 それでも先生の口ぶりから、可能性が高いのだと感じました。
不思議なことに、 “そういう子が生まれてくるんだ”という覚悟は、なぜかすぐにできていました。 でも、不安がなかったわけではありません。
「自分の子をかわいいと思えるのだろうか」 そんな不安が頭をよぎったのを覚えています。
妻も私も落ち込みはしましたが、 下を向いている暇はありませんでした。 家には小学1年生と、もうすぐ3歳になる子がいて、 日常は容赦なく進んでいきます。
出産する病院が変わった日
骨に異常がある場合、 首の骨の曲がり具合によっては気道が圧迫され、 呼吸ができなくなる可能性があること。 睡眠時無呼吸などの合併症が起こる可能性があること。
そういったリスクを説明され、 長女と同じ地元のクリニックでは 「ここでは産ませてあげられない」と言われました。
そこから、軟骨無形成症の子を多く診ている病院を紹介され、 計画分娩で出産することが決まりました。
教えてもらったこと、知ったこと
軟骨無形成症は、 症状を持つ親からは50%の確率で遺伝するけれど、 私たちは症状を持っていないため、 遺伝子の突然変異によるものだと説明されました。
その確率は、2〜3万人に1人。 「その子が私たちを選んでくれたんだ」と思うと、 不思議と心が落ち着いたのを覚えています。
また、軟骨無形成症の女の子の平均身長は125cm前後で、 頭が大きく、手足が短く、受け口になりやすい特徴があることも教えてもらいました。
その説明を聞きながら、 不安はどんどん大きくなっていきました。
「この子はどんな人生を歩むんだろう」 「産まれてきたことを恨む日が来るんじゃないか」 そんなことまで考えてしまいました。
甘やかすという意味ではなく、 “全部受け入れてあげよう” そう思っているのに、 それでも「かわいいと思えるのか」という不安は消えませんでした。
少しの希望
ただ、運が良いことに、 次女が生まれる1年前に新薬が使えるようになっていて、 個人差はあるものの、 症状が多少改善される可能性があると教えてもらいました。
その話は、暗闇の中に差し込む小さな光のようでした。
そして、出産の日
計画分娩の日。 無事に産まれてきてくれました。
立ち会っていた私は、 次女の顔を見た瞬間、 これまでの不安が一気に消えたのを覚えています。
長男、長女と同じ顔。 すごくかわいい子が出てきた。
嬉しさと安心と可愛さが一気に押し寄せて、 涙をこらえるのに必死でした。
妻も胸の上に次女を置いてもらった瞬間、 「かわいい、かわいい」と何度も言っていました。 その声は今でも鮮明に覚えています。
その後すぐに精密検査を受け、 結果は軟骨無形成症。 覚悟していたとはいえ、 改めて現実として受け止める瞬間でした。


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